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2012-12-21 (Fri)



昔は双眼鏡が大好きで。
といっても高価だから持っているわけではなく。

父親と行った福島競馬場で保証金4000円を出して借りたものが面白くてたまらなかった。勿論、馬ではなくて、人の姿を見ていたのだけれども。

いつか、大人になったらスゲー双眼鏡買うもん、と思っていたけれど。眼鏡をするようになると、もう双眼鏡も望遠鏡も見えなくなるのだよね。

でまあ、旅行記を読むのが好きなんだけれど。これは、他人の所持するオペラグラスを通して写真なり、風景なり、を見せて貰うようなものだと思う。

だからすべての情報は書いた人のフィルターを通して見なければいけない。

その相性が合わなければ、読むに耐えない。

地球はもはや秘境などないようなものだけれど。これだけ同じ地域の旅行記が出版されたり、ブログで書かれているのは、その相性があるんだろうなあ。

海外だと、普通だけど沢木こうたろーさんだ。

貧乏を自慢するわけでもなく卑下するわけでもなく。グルメでもなく。偉そうでもなく。

ただただフラットな目線で見たもの、たべたもの、泊まったところを書く。

でも国内旅だと、ブログも含めてあんまりないんだなあ。

●●温泉は湯も最高で牛ロースコースは素晴らしい!とか。もうただグルメ路線になっちゃうし。

かといって。

ランプの宿の秘湯のすべて!とか、じゃんじゃん写真貼ってあるようなマニアックなのもつらい

それに大体が最後に、こちら!とかリンクしてじゃらんとかにいくしね。

以前も読んでいたけれど。久々に更新されていて過去記事もえんえんと読んでいるのが。

日本ボロ宿紀行

リンクしねえけど。

懐かしいような、キチョウな古い宿に泊まる。

ただTVのように、はしゃぐことはなく。

たんたんと。食事も美味しかったり不味かったり。

でも、感情的に喜んだり、けなしたりはなく。

すこしだけ引いた優しい目線で。しずかに語ってくれる。

本になると知ったときは欲しかったけれど。金がなかった。

でもムリしてでも買おうと思った。

ブログと重複する部分はあるだろうけれど。

こういう本は、サッポロ一番味噌ラーメンの染みが着いちゃってからが、何度も楽しく読めるからだ。

本屋に行くたびに探したけれど見つからない。

ま、amazonは使わない主義なんで。

で、最近ブログを読んだら。増刷するのを待たなければいけないのだって。

んもう!中古でamazonでもいいやと思って調べたら。

中古で4000円もするのよ!

アタシは。

もうきっと旅にはいけないのだろうと思う。

だから、好きな人が。

旅をして感じたものを聞かせてほしいなあというところでしょうかね。

ま、くまきちの旅の話や写真も期待しておったのですが。

カメラ出すと人が集まってきて「撮ってくれ」と騒ぎになるから。あんまり撮らないそうな。

確かにアタシも、人前でカメラ出せないしなあ。

だから。いろんな人が持っている。

オペラグラスを覗かせてもらうのくんくん。
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2012-01-15 (Sun)


加藤の日誌 引用の続きです


前回の鳴子合宿は。ぺろんつぁんのおかげで。なんとかOBもうまく処理できた。

けれど次回はどうしよう。

山形蔵王は大丈夫だけれど。また。鳴子がある。

しかも今度は国体だ。

大学生やら社会人やら。恐ろしく多くのOBが酒を飲ませろと集まるのだという。

前のように、別な部屋の呑みのこしでは間に合わない。



ここで加藤の日記は終わっていた。だから、オレは、どうやって、多くの先輩が集まったときに対処すればいいのかはわからなくて。とても不安に思っていた。

オレが初めて訪れた鳴子は。みながゆうように雪で。

窓の外の一階の屋根には、ふっくらと雪が積もり。通りの向こうでは。
スマートボール屋が単色のネオンで凍結路を照らしている。

「ちょっと読ませろ」

いつのまにか部屋にはオレと角川しかいなく。オレはぼんやりタバコを吸った。

「加藤が辞めたのも。スキー部にいないことになったのも。これだ」

「どういうこと?」

「だから、加藤はぺろんつぁんに頼んでしまったからな」

「つか、ぺろんつぁんて誰?おかみさんもいないとか言ってど」


「あんまり、この温泉では話すな。と学校から言われてるけどな」

角川はようやく話し始めて。


角川の話・・・・・・・・・・・・・・



始めの合宿の時には。加藤はぺろんつぁんに頼んで、OBらが呑む酒を確保できたからよかったのかもしれない。

でもな。これは俺達同期の責任でもあるんだろうし。一級上の先輩の責任だ。

本当はな。俺達高校生が宴の予算なんか持てないんだから。

OBか来る前に。あらかじめ情報を得て。宿舎に行って。
「どうか来ていただいてご教授ください」って土下座して頼むんだってよ。
そうすると、彼らは酒や食いものや、後輩の為の金一封みたいのを持って来るんだって。

でも。オマエは入院してたけど。オレらはそれを教えられなかった。
それで、当時、暫定部長のような加藤が担当したのな。




いつのまにか。女将さんが部屋に入ってきており。お茶を入れて。オレと角川に黙って、差し出す。

オレは、いいのかな?と思って角川をみたけれど。どうも。この。女将さんも。関係があるようで。




二回目の鳴子のとき。合宿じゃなくて国体予選なんだよ。だから大学、一般も含めて。俺らの高校のこの宿には。かわるがわる人が来た。
みんな酒を呑むし。でも「ご祝儀」みたいな金は持って来るわけよね。
ただ、それは会計たる加藤にはいかない。公式大会だから、そういう金は先生に渡って、のちに寄付かなにかになるようなんだ。

だから。本来は前もってOBに取り入って。それとは別に実費の酒代をポケットに入れてもらう関係になっておく必要があったんだよね。

けど支払いができない加藤は。
また。ぺろんつぁんに頼ってしまったんだ。

もちろん、ぺろんつぁんだって。他の部屋の余った酒だけでは足りないから。

加藤が金を持たせて近所の酒屋に買いにいかせてたようなんだ。

そうして。金が足りなくなって。加藤は。
隣の温泉客のサイフから二万円とって。ぺろんつぁんに渡して。
結果は、ぺろんつぁんが疑われて。騒ぎになって。

加藤が全部白状してから。
これは大会中・・・つまり学校の公式行事中であるということを言われて。


「それで、どうしたんだよ?」


「なかったことにした」

「え?」

「だから。その時点では。加藤はもうスキー部は辞めていていないことにして。盗られたお客さんにはお金を返して被害届を出さないようにしてもらったんだ」

「じゃあ、加藤はいなかった、とかそういうことか?」

「これは先生ってか。学校から言うなって言われてたんだ」


当然の疑問があるよね。

「あの、ぺろんつぁんって何?で、どうなったの?」

三回だけ女将さんはうなずいて。自分の出番だというような顔をして。

「彼は、ウチで下働きとして雇っていた人です。ただし正社員ではありません。なぜならばウチだけではなくて、他の旅館にも働きにいっていたからなのです」

「・・・・・・・・・」

「はっきりいって、頭が少し弱いということは誰でも知っていました。アタシが嫁に来る前から居た人ですしね。もっと北のほうで生まれて。この温泉地へきたようですが。詳しくは誰も知らないのです」

「はあ」

「たいした仕事はできません。お膳を運ぶ。下げる。温泉の掃除くらいでしょうか。ですからウチだけではなく。どこの宿もそういった仕事だけをさせて。食事を与えて。寝床を提供して、少しばかりの給金をくれていたのですよ」


角川が口をはさむ。

「けど酒を呑むとだめだったんだよなあ」

女将。

「ええ。お膳を下げるときに盗み呑みして、ほろ酔い程度なら問題がないのですが、沢山呑むと正体を失くすと別な宿屋で言われてまして」

「そんでな。加藤が金盗んで。酒買ってこさせただろう?買ったやつの半分を飲んじまった。そして。酔って。金を盗られている部屋に乱入して。加藤が盗んだ財布が出てきちゃった。そして。騒ぎの中で。ぺろんつぁんは。奥の布団部屋に入って。寝小便をした」


外は。風が強くなり。雪も多いのか。窓からはもう白くしか見えなく。

加藤はもういないから。ぺろんつぁんを。この地で。ゆわないで、ということなのかな。どのみち。この宿は。ぺろんつぁんを追い出して。すましているのだろうと。

「ぺろんつぁんを。首にしたの?彼はもう鳴子にはいないのですか?」

オレは。なんだか義憤に駆られたように。いったのだけれど。

女将さんは。アルカイックに微笑んで。

「ぺろんつぁんは。いつだって。どこにだって。この温泉にはいてくれるはずなんですよ。みんな。そう思ってますからね今日は、北のはずれのほうかしら?」

お茶を下げて部屋から出て行く女将は。ちょっとだけ誇らしげで。

この温泉てのは。歩いて気づいたけれど。碁盤の目のようではなく。南東の一本の道に。とても地味な家屋が並んで。

こけし。土産屋。スマートボール。射的屋。

どれも看板はあるけれど。引っ込むように。隠れるように。

にぶい光を雪道に放射していて。

それは。どんどん雪が多くなって。風も強くなって。もう消えてしまうかのようでした。

光が届かない。宿屋のボイラー壁と。その隣の工場の僅かな隙間に。

ぺろんつぁんはいました。

水路に腰掛けていた彼は。硬そうな半分だけの肉まんを持って。どてら姿でいたわけで。

驚いたような顔は。

下からのもうもうとした白い湯気と。それを飛ばす吹雪とで。

交互にハイライトして見えて。なんだかアニメのようだと思ったのです。そして。いつのまにか姿を消していました。

「つぁんてなに?」

灯りがついていた商店に入ってビールを買って訊ねました。

「さん、にちかいけど。説明でぎねな」とオバサンは言って。

「んじゃ、ぺろん、てなに?」

「それは、”ぺろんこ”だろう?ぺろっとはいるのな、ははは」

良く聞けば。コンサートや映画とか。そういうのに。ズルイ方法で。ただで入ることのようで。暴力をもって強引に入るのはダメみたい。ずるいけど。迷惑かけないようなもん?と聞いたら。

「ぺろんこ、ぺろんこだべよう。人さ迷惑かけたら。ぺろんこじゃないべさ」

向かいを見ると路地には。もうぺろんつぁんはいない。

「おばさん!ぺろんつぁんは。いまでもここにいんの?」

「むこうの。温泉教会にいるんでね?あの人は。どごのやどだって。どごのいえだって。顔出せば。飯かせでやっこどになってからなあ」

「どうして?」

「はは、そらあ、ぺろんっあんだすかだすぺ!んじゃあ閉めっから!」

シャッターが下ろされて。急に。降りしきる雪の白さが強調されて。

セブンスターの煙と。

路地から這い出てくる湯煙は。

空間的には相似になっていたのだ。

鳴子温泉スキー場は。

もうない。











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2012-01-12 (Thu)


オレがやや心配していたのは、いろいろな手配です。

携帯食や飲み物を用意しておくのは後輩の仕事です。

オレは後輩の経験をしないまま先輩になったのですが。

その内容を経験していなければ。指示したり手伝ったりができないのですよね。

「部誌」というものをオレは持っていました。普通はこんなものはないのです。

オレと同じくスキー経験がない、やや肥満体の同級生だった加藤が書いたものです。

そのノートには。シーズンオフだったころに学校外をどれぐらいランニングしたか、とか。
川原までランニングした際には必ず先輩からジュースを買って来いと言われるので・・・土手を下った左にある佐藤商店が空き瓶抜きの価格で売ってくれる。

そういった、後輩が心がけるうえで便利な情報や。実際の競技に移行するトレーニングまで。すべて網羅されていました。

そして、それぞれの合宿のようすや、経験上何をどこですればいいかなど。

加藤は、1シーズンを経過して。夏の月山の合宿を最後に部を辞めたのです。

「オレ、国立を目指そうと思うし。正直スキー部にはついていけないから。おまえ、もし、次の冬もスキーやるなら役立ててくれ」と渡されたのが。この部誌で。本来はこんな習慣はないのですが。その日記をオレがもらったのです。

とても役に立ちました。翌年といえど、ほぼ時系列で同じように部活は進むので。持ち歩いていました。


そんなこんなで。タクシー数台にに分乗して。鳴子温泉に定宿。

「ねこや」に到着しました。古い感じだけれど。綺麗に掃除してあって。女将さんとか従業員がお出迎えという。豪華な感じで嬉しくなり。

「今日は滑りにいかないんでしょ?ゆっくりお風呂入ったら?」

二年生が数人の部屋でお茶を入れながら女将さんが言います。

「あの・・・ぺろんつぁんっていますよね?」

オレの何気ない質問に。女将さんは動きはしなかったけれど。あきらかに視線が泳いだのです。

「さあ・・・あの、うちでは、そういうことはわかりませんので」

「え?でも!去年はぺろんつぁんが・・・」

「らこ!やめろ!」

部長の角川がいうので、オレが黙ってしまうと。

「それじゃあ」と女将さんは小走りに部屋を出ていったのです。




ここでやや話をかえなければいけない。もう複雑でわかりにくけど。そういう話だ。



まず。オレは ぺろんつぁん というものを知らない。伝え聞いただけなのである。
加藤の部誌の中に、「ぺろんつぁん」という名前が頻繁に現れて。妙な存在感を持っていたのだ。

引用ーここから

鳴子は右に下っていった高橋酒店なら瓶ビールを売ってくれて、翌日の朝に宿前まで瓶を取りにきてくれる。でも、日本酒や洋酒は買っても返品できないのだ。横田先輩や、後藤先輩が怒ると怖いので、なんとか準備をしておきたいのだが。

引用ーここまで



鳴子温泉は。競技スキーの人が多くて。なんだかんだ言えば。出身校とか。同じ地元の学校がキャンプしてるわけで。
そこにOBとしていけば。もう殿様であり。そういう時に、すぐに酒類を提供できないグループは。激しく叱咤されるのであり、オレ達が呑む、呑まないに関らず用意をしなければいけなかった。うん。呑んでたけど。

加藤の部誌には、なんか妙なことが書かれていることが多くなって。


引用ここからー


日本酒は、もう手配できないから、ぺろんつぁんに頼んだ」
・・・OBが急にピザ買ってこいというので、泣きそうになったけど。ぺろんつぁんに頼んだら間に合った」・・・ともかく、くるみゆべしを買って行って。ぺろんつぁんにお願いするのがよい

引用ここまでー


ここで。加藤の部誌という。個人の日記は終わっているのです。

じゃあよ!同期とか後輩に加藤のことも含めて聞けばいいじゃん!と思うでしょう。

無理なのです。

オレがいた当時は。スキー部はOB以外はみんな仲良く。いつも一緒だったのです。

けれど1シーズンを終えた後で。辞める人はけっこういます。受験にやばいし。

どうも部誌を書いていた加藤は。かなり部内で顰蹙を買った状態で辞めたようなので。

だから。オレが「加藤が、ぺろんつぁん・・」とか聞いても。

「加藤なんてウチにはいなかったっていってるだろう!と誰もが存在を否定するほど彼に怒っているようでした。




「らこ!オマエ、また加藤の日誌とかで読んだ、ぺろんつぁんを女将さんに言ったよな?」

角川はかなり怒っているようで。

「でも、ここの宿にいるって」

「いいか!加藤はいないんだ!へんなこと女将さんにゆうな!同期でも怒るぞ!」



そうだとは思いました。けれど、オレだって。日記に数回でてきた「ぺろんつぁん」を探そうとガは思いません。実は。他に具体的な情報があったからなのです。



日記の。最後の数ページに細かい字でびっしりと書かれているものを発見したのです。


この後は、三人称とか紙の支店とか面倒なので、日記をそのまま載せます。従って一人称は加藤の支店と思ってもらえればいいかな。



缶ビール10本を買って、オレは宿に急いだ。
高橋先輩が風呂から戻るまでにはビールの準備をしなければいけないから。
同期の角川たちがスマートボールのみせで楽しそうに笑っているのは頭にきたけれど。
オレが一番下手なのだからしかたがない。

部屋のドアを開けて、襖を開けると。

こたつに誰かが座っていた。やや俯き加減。

ああ、OBの人がもう来ていたのか?とオレは焦って。

彼が振り向いて目が合う。


「あ!」

だって全然しらないオジサンなのだ。

「ああ!」

やや頭が薄いオジサンはオレを見て意外なものをみたように驚いて声を出す。

こたつの上のモナカを両手で持って食べていたようだ。

オレ。部屋・・。

間違ったかなあ?

普通はそう思うでしょう?

瞬時に部屋内を見回すと。オレのスキーバッグや、角田のジーンズがある。

んじゃ、正しいのはこっちぢゃねえか!と思ったが。

「ああ」としか言えなく。

つまりは、部屋に居る事が正しくないはずの男は。とてもビクビクオレを何度も見ながら。

「うう」と言って。

大急ぎでモナカを頬張るのだった。

モナカはけっこう大きくて、そんなに簡単に一気食いできなのだけれど。

なんか一生懸命頬張って。額には汗までかいており。

「ぺろんつぁん!」

気がつくと仲居さんが後ろに立って厳しい声を発していた。

ぺろんつぁんは、びくっとして立ち上がって。もう一度腰をかがめて、貸し皿の上の新しい最中を取ってポケットに入れると。

足早にオレの脇を潜り抜けて廊下へと出て行った。

「ごめんなさいね、うちの下働きなんだけど。ちょっとアレでねえ」と仲居のお姉さんは何故かオレのホッペタに右手の甲をすりすりしながら言うものだから。

まあ、アレならしょうがないよなあ、とか思ってしまったのだった。

食事が始まり、あちこちの部屋にお膳が運ばれる。オレは呑まなかったので、ふと廊下にでると。

ぺろんつぁんが廊下をうろうろしているのだ。

部屋から下げられたお膳を廊下で受け取って、まとめて調理場に運んでいるようなのだけれど。

どうもおかしい。どんどんお膳を下げるわけでなく。

お膳に乗っているお銚子の残りを。その都度呑んでいるようで。

ぺるんつぁんは。次第に頬が赤くなり。廊下にたまっていったお膳の中で微笑んでいた。

「ぺろんつぁん!また呑んで!呑むのは終わってからっていったでしょう!」

女将さんがヒステリックに叫び。ぺろんつぁんとオレは同時ビクっとしたけれど。

「ごめんなさいね。わるいひとじゃないんだけど」と女将さんが言う間に。ぺろんつぁんは慌ててお膳を調理場へ運んでいく。

「根はいいひとなんだけど、気がきかないからねえ。なんとか雇ってあげてるんだけど」

女将さんは苦そうに笑う。

「どうして、ぺろんつぁんと呼ばれているのですか?」

「やあねえ!そのまんまの意味じゃい、うふふ」

夜も更けて。いくつかの部屋とOBが来ているウチの部屋だけ、宴会が続いて。

「おい、酒なくなったから追加しろ、ビールと日本酒」と言われたオレは泣きそうだった。

もう、酒屋は閉まっているし。高校生として契約した宿からは酒は貰えない。

途方に暮れて廊下に出ると。

ぺろんつぁんが立っていた。もうけっこうメートルが上がっているようで。

「ぺろんつぁん!あのな!お銚子10本持って来てくれねえか?半分以上入っている呑みかけでいいからさあ」

「ん?ああ」

彼はどこかへ行ってしまい。オレは宴の酒が切れないかどうかを気にしながら。廊下でうとうとした。

「う」

はっと目を覚ますと。ぺろんつぁんがお膳にお銚子を15乗せて正座していた。

お銚子は。満杯のものもあれば二割くらいのものもあり。二人で注ぎ足して。満杯のお銚子を9本作った。

ぺろんつぁんは、残った酒をお銚子ごと、こくこくと呑んで。またまた顔を赤くして。

「うう」というのだった。

オレは「表向き」新品のお銚子9本を提供して、けっこう褒められたけれど。

「なあ、ビールあるだろ?瓶を集めて継ぎ足して満杯にした瓶を6本作ってきてくれ」

ぺろんつぁんは。?な顔をしていたけれど。やがて出かけていった。

なにしろ、広い館内では、あちこちで宴会が開かれていたから。

OBがビールもってこいと言い出した頃に彼は戻って来た。

お膳に大瓶ビール6本。

でも、見れば。上四割は泡立っちゃっている。

「ま、急いで注げばいいよね、そして自分がのまなければな」とオレはいい。軽く頭を下げた。

「ああ」とぺろんつぁんは少しだけ笑って。下げてきたコップに残ったビールを呑むのだった。

| 湯けむり温泉シリーズ | COM(4) | | TB(0) | |
2012-01-11 (Wed)


これって。本人や。オレが特定されないか心配だ。書いてもいいのかな。

タイトルだけで、当時の地元の人はわかるかもしれないれど。

鳴子温泉てのは。昔ながらの温泉街で。

オレらスキーヤーにとっては蔵王温泉とはかなり違う。

温泉街とはいえ、蔵王温泉は、みやげ物屋の前に、玉蒟蒻の鍋を出して。首都圏からバイトに来ている女子大生とかが売っており。

旅館以外にも。ペンションとかスキービレッジとかいう。若手のカップルを対象にした宿泊施設も多く。

通りにはキャンドルライト営業しているパブとかが多く。ロマンスのかほり?つの?

なんか油断できねえ、という雰囲気があるのだ。

けれど、鳴子温泉は。通りの両側を流れる用水路から、もうもうとたなびく湯気の匂いが、蔵王よりも硫黄臭いというのもあるのだけれど。大きな違いは。

鳴子には。オッサンとオバハンと、男子高校生と犬しかいない、ということだ。

それでもオレは、鳴子合宿を楽しみにしていた。

というのは。スキー部ってのは。自前の練習は自費だ。つまりスキー温泉ツアーくらい自費がかかるから、かなり貧乏臭いところしか泊まれない。食堂に集まって。学食程度の飯を食って。大部屋で雑魚寝、のような。

公式の部の合宿となると学校から費用がでるけれど。

宮城蔵王なら山荘で自炊。華やかな山形蔵王でも、いくらでも安くて哀しい宿はあるから、そっちになってしまう。

ところが鳴子温泉は本来は温泉宿が目的だから。そこそこいい宿しかないのだ。

無論、刺身や鍋物といった豪華コースではないけれど。最低限の食事でも。部屋に仲居さんが運んできて。四人部屋でこたつアリ!なわけなの。

それが部費でOKなのだから。誰もが楽しみにしていたのだよね。

そして、まあ合宿だから引率の先生もつくけれど。先生だって個室で温泉ってのは嬉しいようで。きっと個人で刺身やビールを頼んで一人で堪能しているのだろうけれど。

「ま、おまえ等の部屋に入るときは、礼儀だからノック二回するからな?」と。

その間に酒やタバコは隠すように、という意味だろうと思った。公になったら学校問題だからさ。


ただオレは心配だった。スキー部は二年が最上級生だからオレは偉いわけだ。今回は特にOBもこなかったしね。

でも前回も言ったし。もう繰り返さないけれど。

スキー部って競技スキーだけれど。経験があって入部する人と、ど初心者で入部する人がいる。
初めての人でも1シーズンフルに滑りに行けば。競技にも出られるし。国内の難コースもほぼ滑走可能だろう。そのくらい練習するから。

オレは初回の滑りで両脚を折って長期入院。夏の月山合宿で復帰しようとしたが、オレの怪我を恐れる教師らやPTAの反対にあって中止。

ようやく冬に数回滑って。なんとか練習についていけるようになったころだった。

一回UP。絵はさっと描きができねので。時間がかかりそう。


とりあえず絵をアップしておく。

これやると文字の大きさがわからなくなるから、本文は続編で。すぐに書いてゆくつもり。

あ、でも誰か見てるのかね?ははは。






$らこブロ
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2012-01-11 (Wed)
スキーや仕事の関係で。温泉はけっこういっていたので。

おもいだした。

初回は。

「鳴子温泉郷 ぺろんつぁん は何処に?女将はなにを隠すのか?」

つか、これ書いていいのかなあ。

できれば絵入りで。ご期待下さい。

11日。よる7:48分からです。うそだけど。 
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