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2012-10-23 (Tue)


シングルルームに泊まるのは、思えば数十年ぶりだったのです。

仕事で数ヶ月ホテル住まいをしたことがあったのですが、その時はいつだって朝方帰ってきましたし、寝酒をけっこう飲んだりしていたのです。

今回は、自宅ではありませんから、酩酊するまでは飲みませんでした。

だからといって、部屋で鏡を見ながら、密かに持って来たペットボトル入りのウィスキを飲むというには酔いすぎているようにも思えました。

どうにもベッドというのが駄目なのでして。ベッド自体はいいのですがホテルって薄い毛布が一枚だけ張り付いているでしょう?あのスキマに入っていく感じがいやなんですね。

なので、毛布をベッドから引っ張ってはがしたのですが。なんか足りないのです。
寒くはないのですが。やや暑いのですが。

着たことのないガウンがはだけ、そこに、ゆるりと空気がながれこみ。

ああ

いやなことが

おきそうなきがする



子供じゃないので、さすがに電灯は消していましたが、ベッドライトはつけていました。

これは、なんつか、もしものときの位置関係がわからなくなると、こはい、からです。


廊下で誰かが声を出しているように思えました。

うとうとしながら聞いたのですが。それは日本語とは思えませんでした。

どうしたって、自然に、それをよく聞いて理解しようとしてしまうのですね。

それは会話ではなくて、なんだか抑揚のついた、うたのように思えたのです。


やーれんそーらんそーらんそーらんそーらん

はいはいっ


この時点で。ぼくは、認めたくはなかったのですが。確かに自分が覚醒して、それを聞いたのだと確信して、じわりと汗が出てしまったのです。

なぜかといえば。

やーれんそーらんそーらんそーらんそーらん

は、廊下から聞こえたのですが。

はいはいっ

は、自分の背中から聞こえたからです。

なかったことにしよう、と思って目をきつく閉じたのですが。

また。

やーれんそーらんそーらんそーらんそーらん

はいはいっ

やっぱり、はいはい、は、ベッドの下から聞こえるわけです。


こうみえても。ぼくは科学の子なわけです。もう子ぢゃないけど。

ベッドの下から「はいはいっ」と聞こえた場合は。

ベッドの下に誰がいて「はいはいっ」って言っているに違いありません。

ですからベッドの下を確認することにしました。

上半身だけを乗り出してベッドの下を確認すると、ものすごく怖いことが過去にあったので、ベッドから降りて四つん這いになった状態で見ました。

ベッドと床のスキマは数センチしかありません。なのに。


やーれんそーらんそーらんそーらんそーらん

はいはいっ


また、その隙間から聞こえてくるのです。

ぼくは科学の子なので、ベッドの隙間に手を伸ばして調べました。

ありました。ありましたとも。

感触だけなのですが。

スピーカー。それも手触りではJBLですね。

つまり、なんらかの理由で、ここのホテルはベッドしたから「はいはいっ」という音声を放送しているということだろうと思ったのです。

改めてホテルの案内書を読んで見ると。ベッドサイドに空調を始めとするスイッチ類があるようです。

ベッド裏音量、というスイッチがあったのでMINにしました。

これで安心だと思って。またうとうとしたのですが。


しくしくしくしくしくしくしく

明らかに、室内の、かなり近いトコロから女性の声が聞こえるわけです。

さきほど、ぼくは、ほぼ部屋中のスピーカやらスイッチを確認したはずなのに。


しくしくしくしくしくしくしく

と女性の声。

わかりやすく説明しますと、女性の泣き声が「しくしく」と聞こえるというのではなくて。

女性が「しくしくしくしくしく」と発音しているということなんです。

声の出所はベッドランプのややしたである、壁ですが何も見えません。

こういうときは、真実を見る為の交差法視覚だと思いました。

かすかな模様だけの壁紙の中に、うっすらと郵便受け大の窓口が見えてきます。

急いでそれを開けて、手をつっこんだのですが。

あむ!っと何かに軽く咬まれた感触があって。それが麻酔のような役割を果たしたのか。

部屋の外で朝の掃除が始まるまで意識を失っていました。

どうしたわけか、ベッド下のスピーカーも、壁紙の窓口も、もう確認できませんでした。

腑に落ちないまま、フロントでチェックアウトをすることに。

「はいはいってベッドの下から聞こえて、壁からしくしくって」と告げれば。

目の前にいる従業員A子は真っ青な顔をして、

「実は、お客様がお泊りになった部屋は、二年前に宿泊した女性が自ら・・・・」

「自ら?!・・・」

「ご要望になって、今の様なシステムになっております」

この時点でぼくは、もう気づいていたのです。

「しくしくしく、は、あなたですか?」

「はい、まだなれないモノで、上手にできておりませんでしたら謝罪いたします」

左手の甲に残ったかすかな咬み跡は。

彼女どころか、幼児のような大きさだったのですが。

もう、言ってもしかたがないことなのだろうと思ったのです。


「またのご利用をお待ちしております」と。彼女を始めとする数人の従業員が、目をきらきらさせて、にこにこと笑ったので。

ぼくもまけずに目を輝かせて、すこしだけ左手を振ってみせたのでした。
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2012-10-21 (Sun)



だもんね!らこ!

ま、雨漏りで濡れた古書籍を片付けといっても。二時間に一度、本を積んで縛るだけだから一向に進まないのだった。

さすがに日本文学全集とかは、引っ張り出して読まないけど。

7歳のころによんだ坪田譲治の童話は。ああ、なんかこれって。ぼくは・・・で始まるオリの文章はこれのパクリじゃねえの?とか思って、ぎっちりと縛ったりしたの。

やけに薄っぺらい、町内会予算報告書にちかいような形状の冊子が出てきたことで。この作業はおそろしく時間がかかってしまうことになったのだ。

「ごすろり家起源」

なんだべ?

ごすろり家ってのは、オリの婆ちゃんの実家のことなんだもん。

著者:ごすろり新太郎

ああ、これはオリの伯父さんだあ。長男だけど婆ちゃんが離婚?死別?で、ごすろり姓を名乗り、別に家を構えたけど親しくしてたの。

そういやあ、子供のころに、「うちの先祖のことをちゃんとした本に書いたからな、読みなさい」とこれを貰ったような気がする。

当時は30ページほどでも自費出版ってのはたいへんだったのかもしれない。

むろん、漢字ばっかりで読む気もしないから、これまでほおっておいたというわけだ。

要は、ありがちな平家の落ち武者伝説から、自らの先祖が~とかいうお話だけれど。町の資料や現地への取材を行っており、それなりのことが書いてある。

平家の武士が農民になって泉湧く地に三つの家をかまえた。ってのはわからんけど。
今でも仙台の水源となっている地に「ごすろり家」が昔からいたのは事実のようだ。
水源の里、としてのお話は、また改めて写真でも撮ってきたときに語ることにしよう。

将軍ではないのだけれど、ちゃんと初代から当時の15代まで当主の名前が書かれている。

ところが気になる記述があるんだよね。以下は引用


\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\引用\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\


平家落人部落に古代より伝えられるものに、「開けずの箱」と云うものがある

古代より伝えられて誰にも見せず、誰もみないまま、代々受け継がれてきたと云う箱である。

見ると罰があたる、目が潰れる、不幸になる、と言い伝えられてきた、いわゆる信仰的で迷信ともいえるものであろうと思われるものが、平家落人部落の西側には多くある。

わが、ごすろり家には、現在も、その箱はある。

ところが、これは誰も中を見なかったというわけではなく、性格には二人が見たという記録があった。

13代当主の時に、賊が押し入り、この箱を取って逃げた。

しかし、よく朝になって、小川のほとりでかたわらに箱を転がしていた賊の死体を使用人が発見したのだという。

当主は、まさかと思ったが、「開けずの箱」の呪いで賊が急死したのだろうと恐れをなし、使用人に中身を見なかったか尋ねた。

「刀剣と、木の玉がはいっておりました」

そう答えた実直だった使用人は、ほでなしになって(注:駄目な人)酒ばかりのんで働かないまま死んでしまったが、当主はそれも箱の祟りだと思い、手厚く世話をさせたとのことである。

この「開けずの箱」は、今も、ごすろり家に存在する。

15代当主である、吉宗さんは云う。

「迷信だと思っていてもあけませんね、そのまま次の世代へ継ぎます」

私も血縁者であるが、それは見たいとも思わない。よけいなものは貰わないに越したことがないからである。


\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\引用おはり\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\


どうなのよ!と声がかんだはるになるお!

これは昭和46年に書かれていたから。オリは10歳。


わからない人は。

この記事を読んでたもれ。







えっとね。オリの記事って。基本的には。
それっぽく書いてるけど。

ほとんど、その場の思いつきですう。ま、ウソなんすね。


でも、ウソのむこうに無意識の記憶があるんかしら?

よくわかんねけど。これを読んで、びびりますた。

オリは盗んではいないけど見た人なのか?


んじゃあ、ほでなし、で酒ばかり飲んだりすんのか?

・・・・いや、もう、してるしー!


子孫を呪うのはやめてほしいですね。


でも、案外。

「二回、見たら、女子力アップ!」とかあるのかも。

うん。かんけーないけどね。はは。
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2012-07-20 (Fri)


こどものころは。

夜中に出歩いてはいけないよ、と言われていました。

言われなくとも夜は怖いので出歩きませんでしたが。

ある暑い夜に。

「どうして夜中に外に行くといけないか、おしえてやろうかあ?」と言われました。

「・・・・」

「満月の夜には鬼女が神社にやってくるんだ」

ええと、途中を略しますと。

丑三つ時に。真っ白な着物を着て。神社で一番大きな杉の木に。

藁人形の胸をカアンカアンと五寸釘で、杉の木に打ち込みながら。

しねばいいのに、しねばいいのに、と相手を想うと。

しぬのです。

「でも、それってぼくがみたからって関係ないでしょう?」

「ちがうんだ。それは絶対に人に見られないまま、何回もやらなければいけないんだ。けれど。どうしても誰かには見られてしまうから」

「どうするの?」

「見た人をこの世から消すのが一番早いんだよ。だから鬼女は見られたら、五寸釘を振りかざして殺しにくるんだよ」

「どうして満月の日にやるの?」

「蝋燭に火をつけるためさ」

「蝋燭?」

「昔は懐中電灯がなかったから。何本もの蝋燭を鉢巻で頭に結んで明かりにしたんだ。でも家だって暗い。外に出てからガラスに映った自分の姿を月明かりで見て、蝋燭に火を点けていたんだよ」

「でも、ぼく、神社の木に人形がついているのは見たことがないよ」


「それはねえ、神社の人が朝に見つけて片付けてしまうからだよ」

「んじゃあ、ぼく、あした、ラジオ体操の前に・・・」


「だめだめ、神社の人は朝って言っても暗いうちに起きて境内を見回るんだ」


あいかわらず、ラジオ体操はいかなかったので。お昼にそうめんを食べてから。ランニングに麦藁帽子で神社へと歩きました。

鳥居の横にある一番大きな杉の木へ。

あ!あるお!ある!

うん。藁人形はなかったのですが。とてもたくさんの釘の穴のようなものが、ぼくの背よりやや高い場所にたくさんみえるのです。

下を見ると。溶けて白く固まった蝋燭がいくつかあるのです。

本当だったたんだ!鬼女!

数本の藁を拾いました。


いろいろ考えました。

駄菓子屋では藁人形は売っていませんでしたし。家族に聞いても、藁は冬の農家にしかないだろうと。

家を探したらば、五寸釘はなかったけれども。やや太い釘があったので。

金槌を持って神社へ行ったのです。

例の大杉に釘を打つと。

カアン!カアン!と驚くほど音が響き渡るのです。

ぼくはなんだか恐くなって、金槌を握ったまま走りだしたのです。

「待ちなさい!あんた!待ちなさい!」

後を見ると鬼のような顔をした白い着物を着た女が追ってくるのです。

ぼくは走るのが遅いのですぐに捕まってしまいました。

でも神社の巫女さんだったのです。

「これ、なに?」と怖い顔で紙きれを突き出してくるのです。

ぼくがさっき、釘で大杉に打ちつけた紙。



「わらにんぎようをください」



ただ黙って下を向いていました。

巫女さんはちょっとだけ溜息をもらし。

「じゃあ、こっちへきなさい」

境内の手前のお守り屋さんのような小さな建物に入っていくと。

やがて、出てきた巫女さんは。茶色い紙袋をぼくに渡して言ったのです。

「今回だけだからね、ほんとうは900円もするんだからね」

「はい、だれにもゆいません」つい。そう答えていました。

中には。

端っこが、綺麗に切り揃えてある。

それはそれは、素敵な藁人形が入っていました。

もちろん家の中に釘は打てないので。

部屋の箪笥裏の柱に。木ネジを。人形のまんなかを通してキリキリとねじこみました。

よる

「ほう、藁人形、手にいれたのかあ」

「うん、もらったんだ」

「それで今日はやけにうれしそうなんだなあ」

「うん。もう人形、木につけたしね」

「ああ、でもこれは無効だなあ」

「え?どうして?」

「だって五寸釘じゃないしねえ」

「でも、小さい釘しかなかったし、家で釘打ったら起こられるからネジにしたんだ」

「小さくても釘ならよかったけど、木ネジはアルミが混ざってるから駄目だよなあ」

「あるみ?」

「アルミはすべての呪いを打ち消すのです!」

「あのー、そもそもあなた、誰なんですか?」

「・・・・汝が、とてもとてもオジサンになって。架空の世で動物を名乗ろうとしたとき。汝は再度、我が声を聞くであろう・・・り」

こういう失敗が、あったから。

M君は今日も元気でビールを飲んでいるのであるの。
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2012-06-13 (Wed)
あったでしょ?お米がなくなったとき。

スーパーの売り場では「売り切れ」と書かれており、スノコがむき出し状態でした。

しかたないな、と駐車場にいくと。

「お米自動販売機(無人)」というものがありまして。


大きさは。なんつか。東日本震災の。仮設住宅4人用というくらいでしょうが。窓はなく。
正面にパネルがいくつか設置されているのです。

「ひとめぼれ 10kg 3280円 売り切れ」

「ささにしき 10kg 3180円 売り切れ」

「ねこまたぎ 10kg 2890円 販売中 」

「らいおねす こーひーきゃんでい 20kg 3000円 販売中」


このよっつだけなのです。

まあ、アタシもさすがに。「らいおねす」は。りすが30キロ出てくるだろうとおもったので。

「ねこまたぎ」のボタンを押したのです。「先にボタンを押してくだされ」というPOPがあったからですね。

反応がないので。何度も押しました。

きたんでねか?

んだか?

不思議なことに自販機の中からかすかに声が聞こえ。

「お金をいれてけろ」

と自販機が電子音声で言うのです。こういうとああ、電子音声ね!と想う人がいるのでしょうが。普通は女性の声を模して造られていますが。あきらかにオッサンの声なわけです。

アタシは、細かいのがなかったので一万円札を挿入口にいれたのですが。ウインウインと飲み込むのではなくて。引っ張られたかのようにシュンと吸い込まれました。

まんさつだわ

まんさつが?

んだ

おつりねど

とってきてくんなせ

わがた

そういうヒソヒソ声が聞こえるのです。

「すこしだげ、お待ちしてけろ」

電子音が言うのでイライラしてボタンを押していたアタシは黙りました。

やがて。坊主頭の男がポーチを持って自販機の裏に回ると。中が動き始めたようです。

はあはあ。なんぼ?

2890えんだ

おつりなんぼから?

いぢまんえんから

いいがら、おめは米ばふぐろさいれろって

おづりは・・・8110円だな・・・

つがうべ!

あ、千円さづたんねべ

んじゃ500円玉でいいべ


「おまだせすますた!おこめでいす」


どさっと音がした受取口を開けると。

お米と。千円札2枚と。たくさんの500円玉が入っていました。

悪質だなと想ったので。アタシは自販機の裏に回りました。

やっぱり普通の鉄のドアがあります。ノックせずにいきなり開けました。

「なんだばい!」

いろいろあって。

「このごどは、けっしていわねでけろ」

角刈りの男が5キロくらいの米をアタシに差し出しました。

「なんすか?これ」

「からだにいんだばい」

見ると麦のようで「ビタワン」という名前と共に犬の絵も描かれています。

「これって犬用じゃないですか?」

「いや、人だって元気になるのっしゃ」

「けどねえ、あなたたちは自販機っていいいながら、ただ倉庫に米積んで、客がきたら受取口に米を落とすって・・・なんかちがうでしょう」

「たのむがら、10年だげ!10年だげ、誰にもいわねでもらえねべか?」

「10年ですかあ。ところで、らいおねすこーひーきゃんでい、ってのは何なんですか?」

角刈りはビクッとして、右足あたりを見て動かなくなり。

「ゆえね、それだげはゆえね、ゆえね!ゆうくらいだら警察呼んでもあらったほうがいいだ」

さすがにそこまではしたくないので。もう帰ろうと。

「10年10年いわねでくれだら。贈物するっちゃ!

「んだ!とてもいいもの送ってやるっちゃ!」と坊主頭も言う。

「このこどは誰さもゆわねで黙ってでけろ。10年たったら。アンタが何所さ住んでても。きっと素晴らしい贈り物をするべ。そして、それを見れば、あんたは生涯秘密をまもる気になるべな。それまで。じっとじっと我慢してけろけろ」





昨日をもってちょうど10年経ったわけでして。ま、あまり期待していなかったのですが。

今朝、新聞ウケに。むき出しで。
二センチくらいの。紙粘土でつくった緑のカエルがはいっており。

そんな経緯があって。この記事を書いたというわけなのですよね。けろ。











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2012-06-07 (Thu)


きのう、アタシは、家周りの草むしりをしていたのです。

本当は家の中のほうが大変なのですが。自分の敷地に接する歩道上に雑草を生やし放題にしているケースってあまりありませんせんし。
場合によっては空き家だと思われていしまうからですね。

ぷちぷちちぎればいいかというと、そんな簡単でもなく。

アスファルトのスキマに入った土の中に値を張っているので、値ごと除去するたんめには、鎌でやや境目を掘ったりもしなけれいけないのです。

うちの土地は、まあコンクリプールの土を張ったような構造で。下部は造成地だから土かもしれませんが、横はコンクリの壁でかこわれているわけです。

いくつか。土中から歩道の側溝に流す為の排水溝があるのですが。

土が詰まって用をなしていないのですね。

ひとつの穴を鎌で掘っていくと。

ほろほろと、ほろほろと。

蟻、蟻の卵が現れて。

ああ、これはどんどんででくるかもしれない、と判断し採掘を中止したのです。

けれど。もうひとつの穴がありまして。こちらは細かいものが詰まっているわけではなく、親指大のコンクリートヘンがひっかかっているのです。



まあ、それならな、と指でこのコンクリート片を取り出そうとしても引っかかってでてこないのですね。



先端が尖っており、ややひっかかるので、鎌の先を中に入れて掻き出そうとしたら。


ぷに


という感触があるのですよ。


おかしーなーと思って、表に出ている部分を手で触ると。軽めコンクリ片なんですが。

やぱっり鎌の先を奥に入れて触ると。


ぷに

というのです。

腰に力がはいらなくなって。しりもちをついてしまったときでした。

誰かの影が私を覆っているのに気がつきました。

今風のスーツを着た茶髪の男で。左手に数枚のパンフレットを持っています。

「いまあ、こちらのほうの担当になりましてえ、金とか宝石のほう、とか古銭をほうとか、買取りにうかがっているのでしたあ」

ああ、そういうひとかとあなあ、でもウチ。金銀パールはないしね、と言ったらば。





でも、「ぷに」って感じのほうがお持ちですよね?実は数件先でお客さまが、「ぷに」のほうを発見されたという情報じょほうを聞いてきたのです。ほう」

「・・・・・・・・・・

「ぷにって、こんな感じのほうでしょう?」

男は土ぼこりに塗れたセメントのカケラのようなものを取り出しました。

たしかに似ていたのですが。「それですう!」というとなんか嫌なこともあつので無言。

「これは先のほうが、コンクリのようなんですけど。じつはこの後にぞろぞろとやっぱいなムシが八十八匹繫がってましてね。ですから普通の方のほうには処理のほうが難しいのであるのでした」

「どうして八十八匹なのですか?」

「夏も近いですからね。そっちのほうです」

「でも、今年のその日はもう終わったんじゃないですか?」

「ほう、あなた、意外と、物知りな、ほうですねえ、ほう」と男は私に近づき。

「あんた、さっきから、ほうほうって」

用意していた冷凍マウスを投げやってみたのですが」

「いやだなあ、ぼくは。ふくろうじゃあありませんよ」

「ぷにが悪化するとまずいのでま来週にでもうかがいますね」

あいかわらず、その物体はあるわけで。指で引っ張っても硬くて取れない。

金属を入れると内部で「ぷに」っとするのである。

どうすればいいのだろうか。

ぷに
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